事件・事故

台風ノウル、香港でシグナル9発令 約360便欠航・東鉄線が運休

【ニュースの要点】

  • 台風「ノウル(Noul/中国語名・紅霞)」の中心は2026年7月26日午前3時50分ごろ、香港の北東約80キロの広東省平海付近に上陸。上陸時の中心付近の最大持続風速は162キロと報じられています(AFP配信、Hong Kong Free Press)。
  • 香港天文台(Hong Kong Observatory)は26日午前1時10分(香港時間、以下同じ)に9号(増強暴風または暴風信号)を発令し、午前7時10分に8号南西の暴風信号、午後0時40分に3号強風信号へ引き下げました(香港政府新聞公報)。RTHK中文の報道によると、8号・9号はいずれも2026年で初の発令です。
  • 政府のまとめ(7月26日発出)によると、26日正午時点で21人(男性9人・女性12人)が公立病院の救急部で治療を受けました。倒木の通報は同日午後1時時点で消防処に243件、政府の1823コールセンターに88件(別々の集計)です。
  • 香港国際空港は26日に約670便を取り扱う見込みで、うち約360便が欠航しました(香港空港管理局=AAHK発表、26日午後5時30分時点)。東鉄線は太和駅付近の架線損傷で大埔墟〜粉嶺が運休し、RTHK英語の報道によると同日午後2時ごろ全線で運転を再開しました。
  • 7月27日午前3時40分時点で台風信号は発効しておらず、有効な警報は雷雨警告のみでした(香港天文台オープンデータ)。警報は延長・追加されることがありますので、最新は公式情報でご確認ください。

何が起きたのか:深夜から昼までの時間軸

9号が出たのは7月26日午前1時10分(政府新聞公報の状況報告(1))。その約3時間前の7月25日午後10時10分に8号が発令されており、天文台は風の変化次第で10号を出すかどうか判断するとしていました(China Daily Hong Kongの報道)。実際には中心が香港の北東を通って内陸へ抜け、10号は発令されませんでした。信号は午前7時10分に8号南西、午後0時40分に3号へと段階的に下がりました。

被害の数字は時点ごとに更新されました。負傷者は午前1時時点で0人、午前8時時点で9人、正午時点で21人。倒木の通報も午前1時時点の1823:1件/消防処:6件から、午後1時時点の1823:88件/消防処:243件へ増えています。この2つは別チャネルの通報件数で、政府は合算値を公表していません。

シグナル9は何を示す信号か

9号は8号の上、10号の下に位置する信号です。正式名称「Increasing Gale or Storm Signal No.9」が示すとおり、8号が発効しているなかで暴風がさらに強まる局面に出される信号です。香港天文台の公式ページ(2026年7月27日閲覧)が9号で挙げる備えは「屋内にとどまる。相応に安全な場所にいるなら、そこから動かない」。10号(ハリケーン信号)ではこれに加え、台風の眼が通過した場合に別の方向から突然、猛烈な風が再開することへの警告が付きます。

交通と生活への影響

今回の荒天は土曜深夜から日曜昼で、8号以上で自動的に発動する制度は日曜に作動しました。全日制校の休講(教育局)や、出生・死亡・婚姻登記所のサービス停止(入境事務処)が7月26日に適用されています(政府新聞公報)。

影響そのものは週明けに持ち越されます。AAHKは26日午後5時30分の発表で、午後から順次運航を再開し、必要に応じて3本の滑走路を夜間も運用して「翌朝の通常運航への復帰を目指す」としていました。ただし27日朝に実際に通常運航へ戻ったかどうかは、本記事の執筆時点(27日午前4時台)では公表情報が確認できていません。

東鉄線は屋外区間が長く、倒木や架線損傷に弱い路線です。RTHK英語の報道によると、MTRは「倒木が多数あり架線の損傷も複数箇所だったため、復旧作業に想定より時間がかかった」と説明。大埔墟駅では乗客が滞留したと伝えられています。

在住者と企業が押さえておきたいこと

天文台は27日午前3時45分時点の予報でにわか雨と激しい雷雨を見込み、最高気温は29度前後、今後2日ほどは天気が不安定としています。フライトは航空会社、東鉄線はMTRの最新情報を出発前に確認するのが確実です。倒木や切れた電線には近づかないでください。

平日に台風が来たときに備え、労工処(Labour Department)が7月25日・26日に示した点も押さえておきたいところです(いずれも政府新聞公報)。

  • 8号予告特別報(Pre-No.8 Special Announcement)が勤務時間中に出たら、事前の取り決めに沿って従業員を段階的に退出させるか、在宅勤務を認めるべき。
  • 悪天候で出勤できなかった・早退した従業員の賃金や各種手当は控除できず、失われた労働時間の埋め合わせや年休・休日の充当も求められない。
  • 8号以上で公共交通が止まる場合は、安全な交通手段を提供するか追加の交通手当を支給すべき。解除後は時差出勤や在宅勤務を含む合理的な取り決めを認めるべき。
  • 従業員補償条例(Employees’ Compensation Ordinance)上、8号以上や赤色・黒色暴雨警報、「極端な状況」の発効中は、勤務時間の前後4時間以内の通勤中に生じた負傷・死亡にも雇用主の補償責任が及ぶ。

改訂版『台風・暴雨時の実務規範』は、事前に取り決めを定めること・安全を最優先すること・労働法令を遵守することの3原則を掲げています。自社の悪天候時ルールの点検は、平日に台風が来る前に。

まとめ

2026年7月26日の香港は2026年で初の8号・9号を経験し、正午時点で21人の負傷、約360便の欠航、東鉄線の数時間の運休という記録を残しました。数字はいずれも「◯時時点」の値です。最新は香港天文台や香港国際空港、MTRの各公式情報でご確認ください。

なお、悪天候時の賃金・手当の扱いや、通勤中の負傷に対する従業員補償の適用可否は、雇用契約や実際の事実関係によって結論が変わります。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の案件は労工処への照会や、労務・法務の専門家にご相談ください。

出典

← トップに戻る