2026年7月28日16時27分ごろ(日本時間)、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を観測しました。地震に伴って発表された津波注意報(1メートル程度の津波予想)は同日18時10分に解除され、日本政府は同日18時20分に非常災害対策本部を設置しています。香港側でも対応が続き、香港郵政(Hongkong Post)は7月29日に熊本・宮崎・鹿児島にあたる地域宛て郵便物の遅延を発表、香港の旅行社は九州ツアーを全面中止にはせず、熊本を外した行程に組み替えて催行を続けています。九州に実家・親族・取引先がある方にとっては、「送る」「行く」「連絡する」の判断に直接かかわる状況です。
被害の状況 数値は出所と時点を分けて見る
公式の数値は、首相官邸「令和8年熊本地震」ページから辿れる各発表で確認できます。2026年7月29日16時08分の官房長官会見では「15時の時点」として、災害との関連を調査中の死者13名、心肺停止5名、重傷8名、軽傷15名、程度が不明の負傷13名が示されました。避難者はこれとは時点が異なり、同日13時30分の非常災害対策本部会議(第2回)で避難所約450か所・約7,700人とされています。なお総務省消防庁は7月30日付で被害状況の第19報を更新公開しており、本記事に載せた公式数値はいずれも7月29日時点のものです。
報道ベースではより新しい数値も出ています。香港のRTHKは2026年7月30日午前、木原稔官房長官が死者28人と述べたと伝えました。同じ記事では、熊本県災害対策本部がこれに先立ち死者17人・心肺停止6人・重傷5人・行方不明少なくとも1人を確認したとしたこと、避難者が1万人を超え415か所の避難所に身を寄せていること、2万2千世帯超で停電が続いていることも報じられています。同じ30日午前のSouth China Morning Post(SCMP)も、死者28人のうち熊本県が確認済みとしているのは17人と報じたうえで、八代市のおよそ5万8千世帯のうち多くが依然として断水または停電の状態にあるとしています。同紙によると、八代市で救援を指揮する担当者は、水道本管の損傷が激しく、復旧に数日かかるのか数週間か数か月かかるのか見通せないと述べています。集計の基準も時点も対象地域も異なるため、これらの数値は合算せず、それぞれ別の情報としてご覧ください。
熊本のイオンのショッピングセンターでは、地震から約1時間余り後に建物の一部が倒壊しました。当局はガス爆発の可能性を調べており、原因は2026年7月30日時点で確定していません。従業員約2,700人のうち3人の所在が分かっていないと報じられています(2026年7月29日時点)。余震も続いており、7月29日夜にマグニチュード5.8、30日朝に同4.6の地震がありました(30日朝の地震について気象庁は津波の心配はないとしたと報じられています)。なお熊本県では、2016年の熊本地震でも震度7を観測しています。
香港側の動き 送る・行く・連絡する
送る:熊本・宮崎・鹿児島宛て郵便に遅延
香港郵政(Hongkong Post)は2026年7月29日、日本の郵政当局からの通知に基づき、地震の影響で日本の一部地域宛て郵便物の配達に遅延が生じていると発表しました。対象は郵便番号860xxxx〜869xxxx、880xxxx〜889xxxx、890xxxx〜899xxxxの3つのレンジで、日本の郵便番号ではそれぞれ熊本県・宮崎県・鹿児島県にあたります。大分県にあたる870xxxx〜879xxxxは対象に含まれていません。対象となるサービスの種別や引受停止の有無、解消の見込みは発表文に記載がなく、2026年7月30日時点で続報も出ていません。
行く:全面中止ではなく「熊本を外す」運用
香港の旅行社・東瀛遊(EGL Tours)の袁振寧・董事総経理によると、同社は九州で7団・140人のツアーを催行中で、2026年7月29日には香港・マカオから福岡へ2団・50人超が予定どおり出発しました。ただし交通が乱れている熊本を外した行程に変更しており、個人旅行者には当面熊本を避けるよう助言しているとRTHKが伝えています。また、九州にいた香港発のツアー約15団・約200人全員の無事を確認したと、旅遊業議会(Travel Industry Council of Hong Kong)の楊淑芬・総幹事が明らかにしたと報じられています(2026年7月29日時点)。香港の旅行業界の対応を見る限り、判断の軸は「九州全体を避けるかどうか」ではなく「熊本に入るかどうか」に置かれています。
連絡する:香港市民は1868、日本国籍者は日本側の窓口
入境事務処(Immigration Department)は関係部門と連絡を取ったうえで、2026年7月29日時点で香港市民からの支援要請は受けていないとしています。海外での支援要請は24時間ホットライン (852) 1868 のほか、同処のモバイルアプリ、チャットボット、WhatsApp、WeChat、オンラインフォームでも受け付けています。香港市民の領事保護は在日中国公館(駐福岡中国総領事館など)を経由する建て付けです。保安局(Security Bureau)が公開する日本の渡航情報ページ(外遊警示=Outbound Travel Alert 関連)にも、2026年7月28日付で今回の地震が追記されました。日本国籍の方は日本側の窓口が一次的な保護主体になる点と混同しないようにしましょう。
実務としてやっておきたいこと
- 郵便・小包:上記3レンジ(熊本・宮崎・鹿児島)宛ては遅延が前提です。期日のある書類や商品は発送時期と手段を組み直し、最新の状況は香港郵政の発表でご確認ください。
- 予約済みツアー:催行の可否、熊本の行程の振り替え、自己都合でキャンセルした場合の取消料の扱いを、旅行社に個別に確認してください。取消料や返金の条件は各社の約款次第で一律ではありません。
- フライト・現地移動:熊本空港(阿蘇くまもと空港)は2026年7月30日付で地震の影響と二次交通の運行状況を掲載しています。状況は変わりやすいため、出発前に空港公式と航空会社の運航情報を直接ご確認ください。
- 日系企業:九州に拠点があるなら、安否確認に加え、八代市など断水・停電の復旧時期が見通せない地域があると報じられていることを前提に、出張の可否と納期・物流への影響を洗い出しておくとよいでしょう。
まとめ
香港側ではっきりしているのは、郵便は熊本・宮崎・鹿児島にあたる3レンジ宛てが遅延していること、ツアーは熊本を外して継続していること、香港市民向けの支援窓口は入境事務処の1868であること、の3点です。一方で、被害・ライフライン・交通の状況はいずれも流動的で、数値も出所・時点・対象地域によって差があります。本記事に載せた公式数値は2026年7月29日時点のものです。最新の情報は首相官邸・総務省消防庁・香港郵政などの公式発表で必ずご確認ください。
出典
- 首相官邸「令和8年熊本地震」(2026年7月30日閲覧)
- 総務省消防庁 災害情報(2026年7月30日閲覧)
- 総務省消防庁「令和8年熊本地震による被害及び消防機関等の対応状況」第19報(PDF・2026年7月30日更新)(2026年7月30日閲覧)
- 熊本空港(阿蘇くまもと空港)お知らせ(2026年7月30日閲覧)
- 香港政府新聞公報「Postal services to Japan subject to delays」(香港郵政)(2026年7月30日閲覧)
- 香港保安局 日本の渡航情報ページ(Outbound Travel Alert – Japan)(2026年7月30日閲覧)
- 〔The Standard〕All 200 HK travelers from 15 tour groups safe after Kyushu quake(2026年7月30日閲覧)
- 〔RTHK〕Some opt out but others press on after Japan tremor(香港の旅行社の九州ツアー対応、2026年7月29日)(2026年7月30日閲覧)
- 〔RTHK〕Race against time to find missing mall staff in Japan(イオンのショッピングセンター捜索、2026年7月29日)(2026年7月30日閲覧)
- 〔RTHK〕熊本県で7月29日夜に発生したM5.8の地震に関する報道(2026年7月29日)(2026年7月30日閲覧)
- 〔RTHK〕熊本地震の被害に関する日本政府発表の報道(2026年7月30日)(2026年7月30日閲覧)
- 〔South China Morning Post〕Heatstroke fears rise as Japan quake victims face weather without power, water(2026年7月30日閲覧)

