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香港の電気代、8月から値上げ 中電+1.5・港燈+15.4セント

2026年8月分から、香港の電力2社の燃料調整費(燃料費調整額/Fuel Cost Adjustment)がそろって引き上げられます。ポイントは、同じ香港でも住んでいる場所で結論が変わることです。九龍・新界と大半の離島をカバーする中華電力(CLP Power、中電)は1kWhあたり43.5セント→45.0セントの+1.5セント。香港島と南丫島(ラマ島)を受け持つ香港電燈(HK Electric、港燈)は41.9セント→57.3セントで+15.4セント(+36.7%)と、上げ幅に約10倍の開きがあります。あわせて両社は8〜10月の3カ月間、使用量が一定以下の家庭顧客に1kWhあたり8セントを還元します(単価はいずれも香港ドルのセント=現地表記「仙」。数値は2026年7月31日時点の公表値)。

まず確認:自宅・オフィスはどちらの管内か

九龍・新界とランタオ島・長洲など大半の離島は中電(公式サイトによると約286万口座、香港の人口の8割超をカバー)、香港島と南丫島は港燈の供給エリアです。日本語で流れる「香港の電気代が上がる」というニュースは中電の発表を訳したものが多く、香港島に住む世帯や香港島にオフィスを構える企業には、むしろ港燈の数字のほうが重要になります。

燃料調整費(1kWhあたり) 2026年7月 2026年8月 増減
中電(CLP Power) 43.5セント 45.0セント +1.5セント
港燈(HK Electric) 41.9セント 57.3セント +15.4セント(+36.7%)

中電の燃料調整費は3月39.2→4月39.8→5月40.4→6月42.6→7月43.5→8月45.0セントと、春以降じりじり上がり続けています(中電公式サイトの月別表)。港燈は5月の26.0セントが底で、そこから3カ月で2倍以上に跳ね上がりました。

基本電気料金を含む「平均正味料金(平均淨電費)」でみると、8月は港燈が185.2セント(HK01の報道)、中電は146.2セント程度になる計算です。ただしこれは住宅・商業・工業を含む全顧客の平均で、家庭に適用される段階別料金の単価とは一致しない点にご注意ください。

8〜10月の還元、「900kWh」の読み違いに注意

両社は2026年6月26日、8〜10月の3カ月間の家庭向け還元を発表しました(中電プレスリリース、RTHKの報道)。中電は「1請求期間の使用量が900kWh以下」の家庭顧客に1kWhあたり8セントを戻す燃料費特別リベート(燃料費特別回扣)で、対象は家庭顧客の約5割、還元総額は8,000万〜9,000万HKD、財源は中電社区節能基金です。港燈も同じ期間、月間使用量450kWh以下の家庭顧客に1kWhあたり8セントを補助します(対象は同じく家庭顧客の約半数、財源は智惜用電関懐基金)。

取り違えやすいのが中電の「900kWh」です。中電の住宅顧客への請求書は約2カ月に1回発行されるため(中電公式サイト)、「1請求期間900kWh以下」は月平均450kWh程度が目安とみられ、月900kWhまでという意味ではありません。港燈の「月450kWh以下」と実質同水準で、両社が対象を家庭顧客の約5割と見込んでいることとも整合します。夏場にエアコンを多用する大型フラットは、むしろ対象から外れやすい層です。請求周期は口座によって異なる可能性があるため、「毎期」が何カ月分なのかは請求書でご確認ください。

条件を1kWhでも超えると還元がゼロになるのか、900kWh(450kWh)までの分に8セントが適用されるのかは、公表されている文言からは読み取れません。受け取りに申請が必要かどうかも、両社の公式ページでは確認できませんでした(請求書への自動反映とみられますが未確認です)。また還元はいずれも家庭(住宅)顧客限定で、オフィス・店舗・工場などの非住宅顧客は対象外です。

年初の「値下げ」はすでに帳消しに

2025年11月に発表された2026年の年次料金見直しでは、平均正味料金は中電が-2.6%の140.6セント、港燈が-2.2%の163.3セントと、両社とも値下げでスタートしていました。ところが月次の燃料調整費が上がり続けた結果、8月時点ではいずれも年初の水準を上回っています。

上昇の理由として両社が挙げているのは、中東情勢を背景とした国際燃料価格の上昇です。中電の内訳では天然ガスが予測比+5.2セントと寄与の大半を占め、石炭+0.3セント、燃料油+0.1セントと続きます。影響は公式統計にも表れており、政府統計処(Census and Statistics Department)が公表した2026年6月の消費者物価指数(CPI)は、総合が前年同月比+2.0%だったのに対し電気・ガス・水道は+9.2%と突出しました。中電は燃料調整費の上昇がしばらく続くとの見方を示しています(HK01の報道)。

8月分の請求に向けて確認したいこと

  • 管内を取り違えない:九龍・新界・離島は中電、香港島・南丫島は港燈です。上げ幅が約10倍違うため、値上げの報道をそのまま自分に当てはめないことが第一歩です。
  • 中電管内の世帯:直近の請求書で使用量(用電量)と請求期間の長さを確認しましょう。月平均450kWh程度に収まれば、3カ月で約108HKD(450kWh×8セント×3カ月)の還元になる計算です。夏場にこの水準を超える世帯は、対象から外れる可能性があります。
  • 香港島・南丫島の世帯:条件は「月450kWh以下」で読み替えの余地がなく、燃料調整費の上げ幅も大きいため、8月以降の請求増を家計に織り込んでおきたいところです。HK01の報道では、月450kWh使用の世帯で補助適用後も7月比+33.3HKDと試算されています。
  • 日系企業の総務・経理・店舗運営担当:還元は住宅顧客限定です。香港島のオフィス・店舗なら、燃料調整費だけで1kWhあたり前月比+15.4セント、1月比+21.9セントが上乗せされます。非住宅顧客の請求書は毎月発行のため、影響は8月分から表れます。

まとめ

8月分の電気代は、九龍・新界側なら上昇は小幅にとどまり、還元の対象になれば実効単価は年初の水準を下回る計算です。香港島側は上げ幅が大きく、補助を受けても負担は増えます。9月以降の燃料調整費は2026年7月31日時点で未発表です。燃料調整費は毎月変動しますので、最新の数値と還元の適用条件は中電・港燈それぞれの公式サイトで必ずご確認ください。

出典

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