ニュースの要点
香港で回収された古紙は、2026年10月1日から全面的に香港域内でパルプ化(紙を溶かして再生紙の原料にする工程)できる体制となり、これまでのように輸出に頼る必要がなくなります。香港紙・星島頭條が2026年9月25日に報じたもので、環境保護署(Environmental Protection Department、EPD)の発言人の説明によるものです。これに伴い、輸出向けに設けられていた政府の古紙回収委託契約は終了しますが、回収業者が自ら海外へ輸出することは引き続き可能とされています。あわせて回収対象も、従来の段ボール・新聞紙・オフィス用紙の「三紙」に加え、紙袋・包装箱・包装紙といった雑紙へ広がるとされています。
ただし、自宅やオフィスの回収箱で「何を・どこに出せばよいか」が具体的にどう変わるのかは、報道では示されていません。
ニュースの概要
星島頭條の報道(2026年9月25日)によると、環境保護署発言人の説明の要点は次のとおりです。
- 開始日:2026年10月1日から、回収した古紙を全面的に香港域内でパルプ化する
- 輸出依存の終了:輸出に頼る必要がなくなり、輸出向けの政府の古紙回収委託契約(廢紙收集及回收服務)は終了する。回収業者が海外へ輸出したい場合は、市場ベースで自ら手配できる
- 回収対象の拡大:「三紙」(段ボール・新聞紙・オフィス用紙)に加え、紙袋・包装箱・包装紙などの雑紙も対象にする
- 受け皿となる施設:屯門(Tuen Mun)の環保園(EcoPark、政府が整備したリサイクル産業向けの工業団地)にある紙パルプ生産施設が、2026年7月27日に稼働を始めた
- 処理能力と回収量:施設の処理能力は香港全体の古紙を処理できる規模とされ、回収量は年間50万トン余りから段階的に年間72万トンまで引き上げられる見通し。2026年9月には、1日あたりの古紙受け入れ量が最高記録の1,608トンに達した(前年の1日平均受け入れ量より4%多い)
報道の見出しでは、今回の切り替えを香港の循環経済(資源を捨てずに再利用し続ける経済の仕組み)推進における「里程碑(節目)」と位置づけています。なお、施設を運営する事業者名は報道に明記されていません。
読みどころ:在住者・日系企業にどう関わるか
身近なところでは、これまで分別に迷いがちだった紙袋や箱類が、古紙として回収される方向になる点です。買い物の紙袋、通販の外箱、贈答品の包装紙などは家庭でも日常的に出るものなので、分別の考え方が広がる可能性があります。
一方で、住宅の管理処(管理事務所)やビルの管理会社が置いている回収箱の表示や回収の頻度が変わるのか、どの品目をどの回収拠点に出せばよいのかといった実務の詳細は、2026年9月時点の報道からは分かりません。「10月1日から出し方がこう変わる」と決めつけず、身近な回収拠点の案内を見て判断するのが確実です。
オフィスでも段ボールや包装材は多く出ます。総務・オフィス管理の担当者の方は、ビル管理会社や回収業者への委託内容が今回の変更で何か変わるのか、念のため把握しておくとよいでしょう。
背景:輸出頼みから域内処理へ
報道によると、香港はこれまで古紙のリサイクル処理を主に輸出に頼ってきました。輸出処理にどのようなコストや環境面の課題があったのかについて、報道は詳しく触れていません。
転機となったのが、屯門の環保園に新設された紙パルプ生産施設です。2026年7月27日の稼働から約2か月で、報道によると1日あたりの古紙受け入れ量は最高1,608トン(2026年9月)に達しました。回収量を段階的に年間72万トンまで増やせる見通しにあわせて、回収する紙の種類も広げた形です。回収した古紙を輸出に頼らず香港の中で再資源化できる体制が整ったという意味で、香港のごみ減量・循環経済の政策における一つの節目といえます。
確認しておきたいこと
10月1日以降、自宅やオフィスの回収拠点で紙袋・包装箱・包装紙が新しく回収対象に入っているかを、管理処やビル管理会社の掲示、環境保護署の公式案内で確かめておくと安心です。家庭向けの具体的な分別方法が公表された場合は、その内容に従ってください。
まとめ
- 2026年10月1日から、香港で回収した古紙は全面的に域内(屯門の環保園の新施設)でパルプ化できるようになり、輸出に頼る必要がなくなる(輸出向けの政府委託契約は終了するが、回収業者が自ら輸出することは引き続き可能)
- 回収対象は「三紙」に加え、紙袋・包装箱・包装紙などの雑紙へ広がる
- 施設は2026年7月27日に稼働。処理能力は香港全体の古紙を処理できる規模とされ、回収量は年間50万トン余りから72万トンへ段階的に増やせる見通し
- 家庭・オフィスの回収箱での具体的な分別方法の変更は、2026年9月時点の報道では明らかになっていない
今回の内容は星島頭條の報道(環境保護署発言人の説明)にもとづいており、2026年9月時点の情報です。回収対象品目や出し方の詳細は今後変わる可能性があるため、最新は環境保護署などの公式情報で確認してください。
出典
- 〔星島頭條〕回收廢紙10.1起實現全面本地製漿 環保署:推動循環經濟里程碑(2026年9月29日閲覧)

