【ニュースの要点】
香港で、指定を受けた飲食店に犬を同伴して入店できる新制度が、2026年7月9日から始まります。所管は食物環境衛生署(Food and Environmental Hygiene Department, FEHD)で、香港政府は2026年6月12日のプレスリリースで発表しました(香港政府新聞公報, 2026年6月12日)。
要点を先に整理すると次のとおりです。
- いつ:2026年7月9日から
- どこで:FEHDの指定(許可)を受けた飲食店のみ(すべての店ではありません)
- 対象:犬のみ。猫やその他のペットは従来どおり立入不可
- 規模感:FEHDが公開抽選で1000店ぶんの枠を割り当て、そのうち第1弾として833店が7月9日までに手続きを完了
- 条件:犬はリード(引き綱)1.5メートル以内で成人が管理、テーブル不可、危険犬・闘犬は不可 ほか(詳細は後述)
香港ではこれまで、盲導犬・使役犬を除いて飲食店内への犬の立ち入りを原則認めてきませんでした。今回の解禁はその方針転換にあたり、ペットを飼う駐在員・家族はもちろん、飼っていない方にとっても外食シーンの変化として知っておきたいニュースです。
ニュースの概要
FEHDは2026年6月12日に公開抽選(ballot)を行い、犬の店内立ち入りを認める枠を1000店ぶん割り当てました。この点は公式発表と大手報道で一致しています(香港政府新聞公報, 2026年6月12日、RTHK, 2026年6月12日)。
数字が複数出てくるため、意味を取り違えないよう整理します(いずれも2026年6月時点、公式・各報道による)。
- 総応募:約2,205件
- 抽選の母数(適格と認められた店):1,616店
- 当選(枠):1,000店
- 第1弾として手続き完了:833店
話題になっている「833店」という数字は、応募数でも当選数でもなく、1000店の枠のうち、7月9日までにライセンス変更などの手続きを完了した「第1弾」の店舗数です。当選した残りの店が今後手続きを終えれば、この数はさらに増える可能性があります(Hong Kong Free Press, 2026年6月12日、HK01, 2026年6月12日)。RTHKによると、立法会議員からは「運用が順調なら店舗数を増やせる」との見方も出ており、今回はいわばパイロット的な運用と位置づけられています。
なお香港メディアの報道では、第1弾の地域別内訳として灣仔(ワンチャイ)区が最多とされています。ただし地域別の数字は集計時点によって差が出やすいため、本記事では細かい店舗数の断定は避けます。最新の対象店・地域別状況は公式で要確認です。
読みどころ:香港駐在の日本人にとって何が変わるか
日本ではテラス席やドッグカフェなど「ペット同伴OK」の飲食店は珍しくありません。一方の香港は、公衆衛生上の理由から飲食店内への犬の立ち入りを長く原則禁止してきました。今回は、その原則が許可制で段階的に緩められる点で新鮮なニュースです。
犬を飼う駐在員・家族にとって
これまで「香港では愛犬と一緒に店内で食事できない」のが当たり前でしたが、7月9日以降は指定店であれば犬を連れて入れるようになります。行きたい店が対象かどうか、入店時の条件は何かを事前に知っておくと、当日の入店拒否などのトラブルを避けられます。対象は犬のみで、猫やその他のペットは引き続き入店できない点も押さえておきましょう。
犬を飼っていない駐在員にとって
自分がペットを飼っていなくても、行きつけの店が対象になれば、店内で犬に遭遇する場面が増えます。あくまで指定を受けた一部の店に限られ、リード管理・テーブル禁止などの条件付きである点を知っておくと、街や外食の風景の変化として受け止めやすくなります。
飲食・小売の日系企業にとって
飲食業界には、この制度を集客策として歓迎する声もあります。応募が枠(1000店)を大きく上回ったこと(適格1,616店・総応募約2,205件)は、ペット同伴ニーズの強さを示すものといえます。飲食・小売・ペット関連の事業に関わる企業は、需要の動向や今後の追加枠の有無を継続的に見ておく価値があります。
入店の条件(実用まとめ)
指定店で犬を同伴する際の主な条件は次のとおりです(Hong Kong Free Press, 2026年6月12日 ほか報道による)。このうち「リード1.5メートル以内」と「犬をテーブルに乗せない」はFEHDの公式条件(准許條件・FAQ)で定められています。その他の細目は報道ベースの記述も含むため、詳しくはFEHDの公式指引で確認するのが確実です。
- 犬は成人が長さ1.5メートル以内のリードで管理する、または動かせない固定物につなぐ(FEHD公式FAQで確認)
- 犬をテーブルの上に乗せない/店内を自由に歩き回らせない(テーブルに乗せない点はFEHD公式の准許條件)
- 同伴できる犬の頭数に政府の一律の上限はなく、各飲食店が判断する(FEHDは同伴頭数を各店が自ら決める事項としています。頭数の扱いは店ごとに異なるため、事前に店へ確認を)
- 盲導犬・使役犬は今回の制度とは別枠で、従来どおり店内立ち入りが認められる
- 危険な犬・闘犬は立入禁止
- 対象店は入口に指定サイン(A3サイズの標識)を掲示し、犬の立入可を示す
また、次のような店は今回の対象外です。
- 火鍋(ホットポット)店・焼肉(BBQ)店を主たる営業形態とする飲食店
- 面積が20平方メートル未満の小規模店舗(HK01, 2026年6月12日 報道)
- 有効な飲食店ライセンスを持たない店
つまり「香港のすべての飲食店で犬OKになった」わけではなく、指定を受けた一部の店で・犬に限り・条件付きで認められる制度です。
対象店の探し方
愛犬と外食したい場合は、事前にその店が指定店(対象店)かどうかを確認するのが基本です。店頭では、入口の指定サイン(A3サイズの犬OKの標識)が目印になります。
ただし、対象店リストや個別店舗の営業条件は今後も変動しうるため、本記事では個別店名の羅列は行いません。最新の対象店・条件はFEHDの公式ページで確認してください(食物環境衛生署(FEHD)案内ページ、2026年7月2日時点)。
背景:数十年の「原則禁止」からの転換
香港ではこれまで、公衆衛生上の観点から、盲導犬・使役犬(導盲犬・工作犬)を除いて飲食店内への犬の立ち入りを原則認めてきませんでした。今回の制度は、その従来の扱いとは別枠で、一般の愛犬の同伴を認める点が新しいところです(食物環境衛生署(FEHD)案内ページ)。
近年のペット飼育の広がりと、「愛犬と一緒に外食したい」という飼い主のニーズの高まりを背景に、政府は許可制で段階的に解禁する方針へ舵を切りました。まずは1000店の枠で始めるパイロット的な運用です。解禁にあわせて政府はテレビ・ラジオ・交通広告などで利用マナーを周知し、店舗向けの「良好作業及行為指引(Good Practice and Code of Conduct Guide)」でリード管理・テーブル禁止などを求めて、衛生・安全とのバランスを取る建て付けにしています。
まとめ
香港で犬同伴OKの飲食店が始まるのは2026年7月9日から。FEHDが1000店の枠を割り当て、第1弾として833店が手続きを完了しました。あくまで指定店で・犬に限り・条件付きでの解禁であり、猫やその他のペットは対象外です。
- 施行日:2026年7月9日
- 対象:FEHD指定店・犬のみ
- 主な条件:リード1.5メートル以内で成人が管理、テーブル不可、危険犬・闘犬は不可(同伴頭数の上限は政府では定めず、各店の判断)
- 対象外:火鍋・焼肉主体の店、20平方メートル未満の店、無ライセンス店
対象店リストや地域別の内訳、細かい条件は今後変動しうるため、最新は必ずFEHDの公式ページで確認してください。愛犬と一緒に香港の外食を楽しむ選択肢が、この夏から少しずつ広がっていきます。
出典
- 香港政府新聞公報「七月九日起狗隻可進入獲准食肆(附圖)」2026年6月12日(閲覧日:2026年7月2日)
- 食物環境衛生署(FEHD)「讓狗隻處於食物業處所的准許」案内ページ(閲覧日:2026年7月2日)
- 〔RTHK〕1,000 eateries selected to open doors for dogs, 2026年6月12日(閲覧日:2026年7月2日)
- 〔Hong Kong Free Press〕1,000 Hong Kong restaurants get permits to allow dogs starting July 9, 2026年6月12日(閲覧日:2026年7月2日)
- 〔HK01〕狗隻入食肆名單出爐|833間完成手續包括多間酒吧 7.9起狗隻可進, 2026年6月12日(閲覧日:2026年7月2日)

