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中国の新「出入国管理規定」9月15日施行|虚偽申告で1〜5年の入境禁止を明文化、大湾区への往来で確認したい点

【ニュースの要点】香港の制度ではなく「中国本土側」の新ルール

中国国務院の行政法規「出境入境管理に関する規定」(国務院令第841号、全19条)が2026年9月15日に施行されます。2026年6月29日の国務院常務会議で可決、李強首相の署名により7月22日付で公布、7月31日に新華社電・中国新聞網などの報道で対外公表されました。最大のポイントは、外国人が中国国外でビザを申請する際や入境審査の際に虚偽の資料提出・虚偽申告をした場合、1〜5年の入境禁止を決定できると条文に明記されたことです。

これは香港の出入境制度の変更ではありません。香港側は引き続き入境事務処(Immigration Department)が所管し、今回の規定は中国本土への出入国を対象とする中央政府のルールです。香港から深圳など大湾区(グレーターベイエリア)へ越境し、本土側の審査を受ける場面で関わってきます。

明文化された制限の中身

制限には「決定する」タイプ(第4条の3項目、第5条の1・2項目目)と、それ以外(第5条の3項目目)があります。前者は条文上「可以……决定」(決定できる)という裁量的な書き方で、義務的に自動発動する措置ではありません。後者(反制清単等への掲載)は「可以」を用いず「移民管理機構・ビザ発給機関が職責に従って実施する」という書き方で、掲載自体が自動的な入境不許可を意味しません(2026年9月時点、国務院令第841号の条文より)。

外国人(日本人を含む)=第5条

  • 虚偽の資料提出・虚偽申告:中国国外でのビザ申請時や検問所(口岸)での入境申請時に虚偽があった外国人について、移民管理機構やビザ発給機関が1〜5年の入境不許可を決定できます。
  • 国境管理妨害の刑事処罰/証件の不正取得・不法出入境の行政処罰:これらに限り、移民管理機構が処罰執行完了日から1〜5年の入境不許可を決定できます(処罰歴一般が対象ではありません)。
  • 対抗措置リスト(反制清単)・信頼できないエンティティリスト(不可靠実体清単)・悪意実体清単への掲載:法に基づき証件不発給や入境不許可の措置を講ずる必要がある場合に、移民管理機構・ビザ発給機関が職責に従って実施します。掲載自体が自動的な不許可を意味するものではなく、いずれも中国が自国の利益を害するとみなす外国の個人・企業を指定する制度とされています。

中国籍の人=第4条

  • 証件の不正取得・不法出入国による行政拘留:移民管理機構が処罰執行完了日から6か月〜3年の出国不許可を決定できます。
  • 海外での違法・犯罪活動が国家の安全・利益を害する場合:関係主管部門または在外公館確認を経た省レベル人民政府が、帰国日から6か月〜3年の出国不許可を決定できます(海外での違法行為一般ではなく国家の安全・利益を害する場合に限定)。
  • 輸出管理・技術輸出入管理などの規定違反で国家の産業安全・技術安全を害するおそれがある場合:国務院の商務部門など関係主管部門が出国不許可を決定できます。

日系企業では中国籍スタッフの出張・赴任もあるため、第4条も無関係ではありません。

出入国管理法に基づく下位の行政法規

今回の規定は第1条で「《中華人民共和国出境入境管理法》等の法律に基づき制定する」と定められた下位の行政法規です。JETRO(日本貿易振興機構)も、出入国管理法に基づき外国人の出入国管理の規定を具体化するものと説明しています。条文レベルで「どの事由に、どの機関が、何年の制限をかけられるか」の枠組みが明示された点が今回の変化で、書類の正確性がこれまで以上に重い意味を持ちます。

一方、施行後に窓口・検問所でどの程度厳格に運用されるかは2026年9月時点で実例がなく分かりません。買い物や家族訪問など短期・日常的な越境への影響も条文からは読み取れませんが、「申告内容の正確さ」は確実に押さえておきたい点です。

施行前に確認しておきたいこと

  • 個人:9月15日前後に大湾区へ出張・渡航予定なら、ビザ申請書や入境時の申告内容(渡航目的・滞在先・勤務先など)に誤りがないか見直しましょう。
  • 企業の人事・総務・法務:駐在員の赴任手続きや出張時の書類作成フロー・社内チェック体制を、第4条・第5条の内容に照らして点検しておくとよいでしょう。

まとめ

香港から中国本土への往来が日常という方にとって、今回の規定は「香港側が変わった」のではなく「本土に入る側の判断基準が明文化された」ものです。施行後の運用は未知数ですが、申請書類と申告内容を正確にそろえるという基本がこれまで以上に重要になります。条文の細目や運用は今後変わり得るため、最新の内容は必ず公式発表でご確認ください。

出典

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