ニュースの要点
香港政府で不動産の評価や市場統計を担う差估署(Rating and Valuation Department)は、2026年9月28日に2026年8月分の民間住宅の指数を更新しました。賃料指数(全クラス)は210.3ポイントとなり、過去最高を更新しました。 前月比は+1.64%で、報道によると10か月連続の上昇です。一方、売価指数は320.5ポイントで、前月比+0.06%とほぼ横ばいでした。前月までの下落がいったん止まった形です。
香港で賃貸に住んでいる方にとっては、家賃の相場が上がり続けていることを公式統計で確かめられる材料になります。契約更新の交渉や新しい部屋探しを控えている方は、目安として押さえておくとよいでしょう。なお、8月の賃料指数は後から修正されることがある「臨時値」です(2026年9月時点)。
8月分の数字を整理(2026年9月時点)
この種の統計は「前月比」「前年同月比」「年初来」が並んで報じられるので、混同しないよう分けて整理します。
賃料指数(全クラス)
- 指数:210.3ポイント(過去最高)
- 前月比:+1.64%(報道によると10か月連続の上昇)
- 前年同月比:約+5.26%(差估署の公表データでは2025年8月の値が199.8で、これと比べた場合)
- 年初来(1〜8月の累計):+4.89%
差估署の公表データ上、賃料指数の8月値は臨時値(provisional)の扱いです。今後の公表で改定されることがあります。
売価指数(全クラス)
- 指数:320.5ポイント
- 前月比:+0.06%
- 前年同月比:+10.98%
- 年初来(1〜8月の累計):+6.98%
住宅の規模別に見ると、中小型のA・B・C類は322.4ポイントで前月比横ばい、前年同月比+11.06%でした。大型のD・E類は288.4ポイントで、前月比+0.42%、前年同月比+9.53%です。
売価指数の各数値は、明報、on.cc、TVB、香港経済日報(HKET)、edigestなど複数の現地報道が同じ値を伝えています(2026年9月時点)。売価指数は2021年のピークをまだ下回っているとされますが、ピークと比べてどの程度低いかは本記事では確認できていません。
読みどころ:賃料は上昇が続き、売価は下げ止まり
今回の特徴は、賃料と売価の動きがはっきり分かれていることです。賃料指数は1か月で1.64%上がって過去最高を更新しました。売価指数は前年同月比では1割ほど高い水準ですが、8月の単月ではほぼ動いていません。
賃貸で暮らす在住日本人にとっては、賃料指数の動きのほうが身近です。1年前と比べて指数は約5%上がっているので、契約更新のタイミングで大家側から賃上げを提示されるケースは考えられます。ただし、指数は香港全体の平均的な傾向を示すもので、実際の家賃は地区・築年数・広さ・物件ごとの事情によって大きく違います。「指数が5%上がったから自分の家賃も5%上がる」とは限らない点に注意してください。
日系企業で住宅手当や社宅の予算を管理している担当者にとっては、賃料水準の見直しを考える際の客観的な参考データになります。購入を検討している方には、売価指数が下げ止まったかどうかを見る材料になるでしょう。
背景:なぜ賃料が上がっているのか
現地報道は、賃料が上がっている要因として次の点を挙げています。
- 夏は賃貸の繁忙期で、毎年この時期は需要が高まりやすい
- 香港政府の人材誘致策により、海外や中国本土から専門人材の流入が続いている
- 中国本土から来る学生の住まい探しの需要
これらは報道機関や記者による分析です。差估署自身が要因を説明したものではありません。
また、これらの指数は8月中に成立した契約などをもとにした過去の実績です。9月末に公表された時点での相場をそのまま示しているわけではないので、直近の相場感とはずれがあることもあります。
まとめ
2026年8月分の香港の住宅指数では、賃料指数が210.3ポイントで過去最高を更新し、前月比+1.64%、前年同月比約+5.26%、年初来+4.89%となりました。売価指数は320.5ポイント、前月比+0.06%でほぼ横ばいです。賃料の上昇は続いていますが、個々の物件の家賃は条件によって大きく異なります。8月の賃料指数は臨時値で、後から改定されることがあります。指数は毎月更新されるため、最新の数値は差估署の公式サイトで確認してください。

