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香港の私家車が港珠澳大橋でマカオへ ― 新枠「開放類別」7月走行開始

香港の私家車が港珠澳大橋でマカオへ ― 新枠「開放類別」7月走行開始

【ニュースの要点】

香港の私家車(自家用車)が港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge、HZMB)を通ってマカオ市内へ乗り入れられる「香港私家車往來港澳(市內)常規配額(Regular Quota for Hong Kong Private Cars to Macao (Access to City Centre))」の第十一批次に、新設の「開放類別(open category)」400枠が加わりました。運輸署(Transport Department)の2026年5月1日付発表によると、当選者は2026年7月13日から、最も早い場合でマカオへの越境走行を開始できます。

最大の変化は、従来必要だったマカオ側との就労・事業のつながり(マカオでの雇用契約やマカオ登記会社の設立など)が、開放類別では不要になったことです。ただし無条件ではありません。個人枠は香港永久性居民(Hong Kong permanent resident)、会社枠は香港で登記された会社であることが条件で、合計400枠(個人200・会社200)を電子抽籤で割り当てます。

なお、この第十一批次の申請受付は2026年5月7日9:00〜5月20日17:15で締切済みです。7月13日は「当選者が走行を始められる最も早い日」であり、新規に申請できる日ではありません(2026年7月時点、香港政府新聞公報)。

ニュースの概要

港珠澳大橋を使ってマカオ市内へ乗り入れる私家車の枠は、これまで「批次(バッチ)」ごとに段階的に開放されてきました。第十一批次では合計1,400枠を提供します。内訳は新規増発900枠と失効枠の再配分500枠。資格区分でみると、従来型の「資格要件付き」1,000枠(個人500・会社500)に、今回の目玉である開放類別400枠(個人200・会社200、いずれも新規)が加わりました(2026年7月時点、香港政府新聞公報)。

開放類別の応募資格は次のとおりです(2026年7月時点、香港政府新聞公報)。

  • 個人枠:すべての香港永久性居民(Hong Kong permanent residents)
  • 会社枠:香港で登記されたすべての会社

従来の「資格要件付き」枠が、マカオ発行の非居民労働者身分証や雇用契約、マカオの商業登記といった「マカオ側との結びつき」を求めていたのに対し、開放類別ではその要件が外れました。とはいえ枠は少数で、締切後に電子抽籤(computerised ballot)で割り当てられます。抽籤の実施日は、確認できた公式ページには記載がありませんでした(2026年7月時点、最新は公式で要確認)。

許可の有効期間は最長で2029年7月12日まで。開放類別は、資格要件付きの枠と違い更新が保証されない点に注意が必要です(2026年7月時点、運輸署)。

読みどころ ― 個人と企業で「効き方」が分かれる

香港に住んでいると、マカオは週末の定番の行き先です。ただ従来はフェリーやバスで渡り、現地で自分の車を使うことはできませんでした。今回の制度は、「自分の車でマカオ市内まで乗り入れる」という選択肢を、マカオで働く人・事業を持つ人以外にも開いた点に意味があります。

ここで在住日本人にとって重要な但し書きがあります。個人枠の応募資格は「香港永久性居民」です。香港PRは通常7年以上の連続居住を経て取得するため、赴任間もない方やPRをまだ持たない現地採用の方の多くは、そもそも個人枠に応募できません。一方、会社枠は「香港で登記された会社」が対象です。香港に法人を構える日系企業や、日本人が経営する香港法人であれば手が届きます。個人としては縁遠くても、勤務先や自社の香港法人を通じてなら可能性がある ― この分岐が、今回のニュースの実務的な読みどころです。

ただし「得しかない話」ではありません。枠は少数の抽籤制で、当たっても費用や手間がかかります。香港側の許可証費用、マカオの第三者責任保険、車載する電子標籤(RFID)などのコストに加え、マカオ市内は道が狭く駐車場も限られます。使い勝手が良いかは、用務の頻度や目的を見極める必要があります。

背景 ― GBA越境交通の自由化の流れの中で

港珠澳大橋は2018年に開通した、香港・珠海・マカオを結ぶ大橋です。開通当初、香港の私家車が自走で越境できる枠は限られ、マカオ市内へ乗り入れる常規配額は、マカオ側と就労・事業でつながる人・法人にほぼ限られていました。今回はその対象を、一般の香港永久性居民や香港登記会社へと段階的に広げる動きにあたります。

大きな流れとしては、大湾区(Greater Bay Area、GBA)の一体化に伴う越境自動車の相互開放があります。ただし、行き先を混同しないよう整理が必要です。

  • 港車北上(Northbound Travel for Hong Kong Vehicles):2023年7月開始。香港の車が広東省(珠海など本土側)へ向かう制度。今回のマカオ乗り入れとは別物です。
  • 澳車南下:マカオの車が香港へ乗り入れる制度。
  • 今回の常規配額:香港の車が港珠澳大橋経由でマカオ市内へ乗り入れる制度。

マカオもGBAの構成メンバーであり、今回の緩和もこの一体化の文脈にあります。ただし、しばしば混同される港車北上(=広東省・本土側行き)とは行き先が異なる点に注意が必要です。今回の行き先は、あくまでマカオ市内です。

今すべきこと・確認すべきこと

第十一批次の申請は締切済みです。そのため今できることは、「当選者が走行開始までに整える手続き」と「次回批次に向けた準備・情報収集」の2つに分かれます。

すでに今回当選している場合

  • 香港側:封閉道路通行許可證(Closed Road Permit for Cross-boundary Vehicles)の交付手続きを完了する。
  • マカオ側:電子標籤(RFID/Electronic Label)を取得し、マカオ海關(Macao Customs Service)経由で許可を受領する。
  • 保険・車両:マカオ乗り入れに必要な保険(第三者責任保険など)と車両の適格性を確認する。
  • 有効期限:許可は最長で2029年7月12日まで。開放類別は更新が保証されない点に留意する。

次回以降の批次で応募したい場合

次回批次の告知は運輸署の該当ページやGovHKの抽籤申請ページで確認できます。個人枠は「香港永久性居民」に限られるため、PRをお持ちの方は、抽籤登録の締切までに車両の名義変更・車両登録(licensing)を済ませておく必要があります。日系企業の会社枠は「香港で登記された会社」が対象で、香港法人があれば応募できますが、こちらも少数(今回は200枠)の抽籤制です。確実に取れる前提で計画するのは避け、マカオでの用務がある場合の「選択肢の一つ」として位置づけるのが現実的です。

許可証費用など変動しうる項目は、運輸署ホットライン(2804 2600)や公式ページで最新をご確認ください。本記事は一般的な情報であり、個別の申請可否や税務・保険・通関の具体的な扱いは、必要に応じて専門家(通関・保険の実務者など)にもご相談ください(2026年7月時点、最新は公式で要確認)。

まとめ

港珠澳大橋を使った香港私家車のマカオ市内乗り入れに、就労・事業のつながりを問わない「開放類別」400枠が新設され、当選者は2026年7月13日から走行を開始できます。個人枠は香港PR、会社枠は香港登記会社が条件で、枠は少数の抽籤制です。行き先はあくまでマカオ市内で、広東省へ向かう港車北上とは別制度である点も押さえておきたいところです。配額の要件・費用・保険・マカオ側手続きは変更されうるため、最新の情報は必ず公式でご確認ください。

出典

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