香港ディズニーランド・リゾート(Hong Kong Disneyland Resort/香港迪士尼樂園度假區)が、2026年8月14〜16日に米カリフォルニア州アナハイムで開催されたディズニー公式ファンイベント「D23: The Ultimate Disney Fan Event」で、香港独自のPixar・Marvel拡張計画を発表しました。
柱は2つです。1つは、トイ・ストーリーランド(Toy Story Land/反斗奇兵大本營)に2027年上半期デビュー予定の新しいシアターショー。もう1つは、トゥモローランドのスターク・エキスポ(Stark Expo)一帯を拡張するMarvelエリアです。前者には香港から引っ越してくるという設定のオリジナルキャラクターが登場し、象棋(中国将棋)やエッグタルトといった香港の文化要素が盛り込まれます。
なお、開業日・チケット価格・投資額は今回の発表では公表されていません(2026年8月時点)。
D23で発表された「香港だけ」の2つの計画
トイ・ストーリーランドに新シアターショー(2027年上半期)
中国語名称は「Pixar主題無邊實境劇場匯演」。主役は香港ディズニーランドのために作られたオリジナルキャラクターPoppy(ポピー)です。内気なぬいぐるみという設定で、飼い主のAria(アリア)とともに香港から、トイ・ストーリーでおなじみのアンディの家の隣に引っ越してくる——という物語から始まります。
ショーには『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』『カーズ』『Mr.インクレディブル』『インサイド・ヘッド』の各作品が登場し、演出には象棋(中国将棋)、でんでん太鼓、エッグタルトといった香港の文化要素が織り込まれます。オリジナル楽曲は2曲で、うち1曲は新しい友情をたたえるポップ調の「Bloom」。いずれも香港と米国のDisney Live Entertainmentチームが共作しました。制作はDisney Live Entertainment、Pixar Animation Studios、映像技術で知られるIndustrial Light & Magic(ILM)の共同体制です。
Disney Live Entertainmentのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、Michael Serna氏は、深く愛されてきたPixarのキャラクターを通じて友情がどのように育まれ祝福されるかを描く感情豊かな冒険を体験してほしい、という趣旨のコメントを出しています。
トゥモローランドにMarvelの新パビリオン
Marvel側は、トゥモローランドのスターク・エキスポ一帯を拡張します。アベンジャーズのロゴを掲げるランドマーク建築の新パビリオンを建設し、Avengers Research Testing Labs(アベンジャーズ研究実験施設)を設けて新しいスリルライドを設置します。ライドはスパイダーマンら複数のヒーローとともに、ワカンダやアスガルドなどを舞台に戦う内容とされています。あわせて、ヒーローと出会えるクインジェット(Quinjet)の発着プラットフォームも新設されます。
完成時期については、羅淑佩(Rosanna Law Shuk-pui)文化体育及旅遊局局長(Secretary for Culture, Sports and Tourism)が2026年5月の立法会(Legislative Council)で、Marvelエリアは2028〜29年に完成し、完成すれば世界最大のMarvelパークになると述べたと、China Daily HKが報じています。この時期と規模の言及は香港政府側から出たもので、今回のD23でディズニー自身が確定発表したものではない点には留意が必要です。また、新設スリルライドの具体的な形式は、公式・大手報道のいずれも「スリルライド」以上には明らかにしていません(2026年8月時点)。
読みどころ:なぜ「香港独自」であることが効くのか
今回の発表で目を引くのは、Poppyが香港から引っ越してくるという設定です。世界のどのディズニーパークでもなく香港が物語の起点になっている点は、他パークでは見られない香港限定のコンテンツだということを意味します。近隣に上海・東京のパークを抱える香港にとって、「ここでしか会えないキャラクター」は差別化の分かりやすい武器になります。
香港在住で小さなお子さんがいるご家庭にとって、2027年上半期という時間軸は日本からの家族・親戚の来港予定を組み立てる参考になるでしょう。年間パスを持つリピーター層にも、次の見どころが増えるタイミングの目安になります。旅行・ホテル・小売など観光需要に業績が連動する日系企業にとっては、Pixarショーが2027年上半期、Marvelエリアが2028〜29年(局長発言)と、中期の集客材料が数年にわたって積み上がるシグナルといえます。
背景:2年連続黒字と債務完済を土台にした投資
拡張の背景には、香港ディズニーランドの業績回復があります。China Daily HKの報道によると、2025年度(FY2025)の決算は純利益HK$5億3,600万(約6,840万米ドル)、入園者数750万人、来園者1人あたりの平均消費は前年比+2%で、2年連続の黒字、債務も完済という内容でした。この決算自体は今回のD23での新事実ではありませんが、香港独自IP(Poppy)と大型IP(Marvel)の両輪に投資できる土台が整ったことを示しています。
まとめ
2026年8月のD23で示されたのは、(1) 2027年上半期にトイ・ストーリーランドへ登場する香港発キャラクターPoppyのシアターショー、(2) トゥモローランドのMarvelエリア拡張——という2本立てです。Marvelエリアの「2028〜29年完成」「世界最大」は香港政府の局長発言であり、ディズニー側の確定発表ではありません。開業日、チケット価格、投資額、ライドの具体的な形式はいずれも未発表です(2026年8月時点)。
こうした開発計画は工期や内容が変わることもあります。実際の来園計画を立てる際は、最新の情報は香港ディズニーランドの公式発表で必ずご確認ください。
出典
- Disney Parks Blog(ディズニー公式)D23 2026: News, Updates, and Info for Disney Experiences Around the World(2026年8月20日閲覧)
- The Walt Disney Company 公式 D23: The Ultimate Disney Fan Event 2026 開催日程(2026年8月20日閲覧)
- 〔The Standard〕Hong Kong Disneyland unveils Pixar and Marvel expansions at D23(2026年8月16日)(2026年8月20日閲覧)
- 〔China Daily HK〕Exclusive new Pixar, Marvel expansions coming to Hong Kong Disneyland(2026年8月16日)(2026年8月20日閲覧)
- 〔香港商報〕香港迪士尼樂園度假區於D23全球粉絲大會發布 香港獨有Pixar與Marvel主題擴建計劃(2026年8月17日)(2026年8月20日閲覧)

