事件・事故

元朗で27歳女性が犬に襲われ死亡か 9月23日時点の捕獲状況と、飼育放棄・餌やりをめぐる政府の検討

2026年9月20日(日)未明、香港・新界の元朗(ユンロン)の郊外で、自転車で帰宅途中の27歳の女性が複数の犬に追われたあと倒れているのが見つかり、病院で亡くなりました。9月23日時点で、警察と漁農自然護理署(漁護署、Agriculture, Fisheries and Conservation Department=AFCD)は現場一帯で犬5頭を捕獲しています。ただし、この5頭が女性を襲った犬かどうかは確認されていません。死因の確定と犬の特定も捜査が続いています。政府は同じ9月23日、飼育放棄への処罰や餌やりへの対応を「検討する」と述べましたが、規制が変わると決まったわけではありません。以下、9月23日時点で分かっていることと、まだ分からないことを分けて整理します。

事件の経緯(9月23日時点)

TVBの報道によると、女性は元朗駅から自転車で1人で帰宅する途中でした。警察が防犯カメラで確認したところ、女性は午前0時近くに壆圍南路(ポックワイ南路)に入り、3頭の犬に次々と追われ続けていました。その間、ほかに不審な人や車は通っていません。

警察は9月20日午前1時近く、南生圍(ナムサンワイ)の汚水ポンプ場近くの路上で女性が意識を失って倒れているとの通報を受けました。女性は病院に運ばれましたが、亡くなりました。初期の検視では致命傷は頭部と首で、傷の大部分は動物による咬み傷や引っかき傷とみられています。

警察は、犬に飼い主がいるのか、飼い主のいない犬なのかを調べています。9月23日時点の報道では、襲った犬が特定されたとは伝えられておらず、野良犬か飼い犬かも分かっていません。

なお、約1か月前の8月20日には、北区・打鼓嶺で犬のホテルを経営していた33歳の女性が、飼っていた犬に襲われて亡くなりました。約1か月で2件目の犬による死亡事案ですが、今回とは別の事件です。

捕獲した5頭とマイクロチップ

警察と漁護署は9月20日夜から21日午前2時近くまで現場一帯を封鎖し、管理されていない唐狗(地元の雑種犬)の成犬3頭を捕獲しました。その後さらに2頭を捕獲し、9月23日時点で計5頭です。このうち3頭にマイクロチップが入っており、漁護署が登録された飼い主に連絡を取っています。

捕獲した犬は漁護署の動物管理センターで拘留・観察されています。漁護署は、これらの犬が事件に関わったかどうかは未確定で、さらに調べる必要があるとしています。

漁護署は、管理されていない犬に出会ったら、落ち着いて安全な距離を保ち、必要なら迂回するよう呼びかけています。元朗など新界の郊外では、夜間や早朝に人通りの少ない道を自転車や徒歩で通る方もいると思います。この呼びかけは覚えておくと役に立ちます。

政府の動き:施政報告の既存方針と、9月23日の新しい発言

施政報告ですでに示されていた方針

危険な犬の管理を定めた《危險狗隻規例》(Dangerous Dogs Regulation)の見直しは、事件の前、9月16日の施政報告(行政長官が毎年示す施政方針)にすでに盛り込まれていました。

環境及生態局長の謝展寰(Tse Chin-wan)氏は9月21日の記者会見で、事件に深い哀悼の意を示しました。そのうえで、規例を見直す際には、飼い主が犬を管理する責任と意識を高める方法を研究すると説明しました。罰則や具体的な要件などの条項を改めることも研究するとし、広報や教育も強化するとしています。同じ会見では、動物への残酷な扱いや、違法な狩猟用具の所持・使用などへの対策について、今年の年末に立法会へ法案の考え方を示して意見を聴き、来年の法改正完了を目指すとも述べました。この「来年の法改正」は動物虐待などに関する目標として示されたもので、危険犬隻規例の見直しや飼育放棄の罰則を改める時期については、9月23日時点で示されていません。

局長はまた、捕獲される流浪犬(野良・放浪犬)の数が、かつての年間数万頭から近年は約400頭まで減ったと説明しています。

9月23日、立法会の委員会での発言

9月23日には、立法会の「食物安全及環境衞生事務委員會」(食の安全と環境衛生を扱う委員会)が開かれました。TVB・東網・商業電台の報道によると、局長は議員の質問に次のように答えました。

  • 餌やりについては、取り締まりや執行のあり方を検討する。
  • 法改正の際に飼い主の責任をどう強めるかを検討し、棄養(飼育放棄・遺棄)への処罰を重くする必要があるかを見る。
  • 年末に委員会へ戻って報告する。

東網と商業電台の報道によると、局長はチップのある3頭について「飼育放棄されたことを示している」との見方を示しました。一方、HK01の報道によると、同じ委員会の主席は、流浪犬と呼ばれている犬の実態は、村で放し飼いにされるなど管理されていないチップ付きの犬だと指摘しています。飼育放棄なのか放し飼いなのかは、まだ確定していません。HK01によると、局長は放し飼いの管理について、新界の地域団体である郷議局と協議して研究する考えも示しました。

つまり、9月23日の発言は「検討・研究」の段階です。飼育放棄や餌やりの罰則が強化されると決まったわけではありません。年末には、施政報告で示された動物虐待などに関する立法会への諮問と、局長が委員会で述べた飼育放棄・餌やりに関する報告が、それぞれ予定されています。両者が同じ場で扱われるのか、どのような内容になるのかは、今後の発表を待つ必要があります。

在住者にとっての意味

今回の議論は「野良犬の問題」にとどまらず、管理されない飼い犬、飼育放棄、放し飼いまで広がっています。犬を飼っている家庭や、これから飼うことを考えている方は、年末に向けて飼い主の責任をめぐるルールが見直される可能性があることを知っておくとよいでしょう。ただし、9月23日時点で具体的な内容は決まっていません。

捕獲された犬の頭数やチップの登録者、事件との関係、死因は、今後の捜査で変わる可能性があります。最新の状況は公式(漁護署・警察)の発表で確認してください。

出典

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