ニュースの要点
香港政府は2026年10月2日、外国人家事使用人(Foreign Domestic Helpers。いわゆるメイド・ヘルパー)を雇う際の月給の下限である「最低許可賃金(Minimum Allowable Wage)」を、月5,100香港ドルから5,220香港ドルへ2.35%引き上げると発表しました。新しい下限が適用されるのは、2026年10月3日以降に署名される雇用契約です。
一方、雇用主が無料の食事を提供する代わりに支給する食費手当は、月1,236香港ドル以上のまま据え置かれます。
10月2日以前に旧額(月5,100香港ドル)で署名した契約は、その申請が10月30日(金)までに入境事務処(Immigration Department)に届けば(必着)、旧額のまま処理されます。メイドを雇っている、またはこれから雇う予定のご家庭や、駐在員の家事使用人契約を扱う企業の担当者は、「署名日」と「申請が入境事務処に届く日(10月30日必着)」の2点を確認しておきましょう。
何が変わるのか(2026年10月時点)
| 項目 | これまで | 10月3日以降に署名する契約 |
|---|---|---|
| 最低許可賃金(月額) | 5,100香港ドル | 5,220香港ドル(2.35%増) |
| 食費手当(無料の食事の代わりに支給する場合の最低額・月額) | 1,236香港ドル以上 | 1,236香港ドル以上(据え置き) |
月給の下限は月120香港ドル上がります。10月3日以降に署名する契約では、契約書に記載する賃金をこの新しい下限以上にする必要があります。
「署名日」と「申請の必着日」は別の基準です
今回の改定で混同しやすいのが、二つの日付の役割です。
どちらの額になるかは「署名日」で決まる
新旧どちらの最低額が基準になるかは、雇用契約書に署名した日で分かれます。
- 10月2日以前に旧額で署名した契約:申請が10月30日(金)までに入境事務処に届けば(必着)、旧額(月5,100香港ドル)のまま処理されます。
- 10月3日以降に署名する契約:新しい最低額(月5,220香港ドル)以上の賃金が必要です。
10月30日は「旧額で署名済みの契約」の申請の必着日
10月30日(金)は、10月2日以前に旧額で署名した契約について、申請が入境事務処に届いている必要がある期限(必着)です。条件は申請が入境事務処に「届く」ことで、10月30日に発送すればよいという意味ではありません。また、「10月30日までに署名すれば旧額でよい」という意味でもありません。10月3日以降に署名する契約は、申請が10月30日より前に届く場合でも、新しい最低額が基準になります。
旧額で署名済みの契約の申請が10月30日までに入境事務処に届かないおそれがある場合は、その扱いを早めに入境事務処へ確認しておくと安心です。
背景:政府は「社会経済要因が昨年の見直し時より好ましい」と判断
発表によると、政府は各方面の意見を慎重に検討したうえで、今年の社会経済要因は昨年の見直し時と比べてより好ましい(more favourable)と総合的に判断し、最低許可賃金の引き上げを決めました。賃金は引き上げる一方、食費手当は据え置くという組み合わせです。
雇用主として確認しておきたいこと
- 旧額で署名済みの方:契約書の署名日が10月2日以前であることを確かめ、申請が10月30日(金)までに入境事務処に届くよう手続きします(必着)。
- これから契約・更新する方:署名日が10月3日以降になる場合は、賃金欄を月5,220香港ドル以上にします。更新に伴う手続きの細かな条件は、入境事務処の案内で確認してください。
- 無料の食事の代わりに食費手当を支給している方:最低額は月1,236香港ドル以上で据え置きのため、今回の発表で下限は変わりません。
- 会社が手続きを手配している場合:駐在員ごとに署名日と、申請が入境事務処に届く見込みの日を把握し、10月2日と3日の境目や、10月30日の必着期限にかかる案件がないかを確認しておくと、行き違いを防げます。
まとめ
香港の外国人家事使用人の最低許可賃金は、2026年10月3日以降に署名する契約から月5,220香港ドルとなり、食費手当(無料の食事の代わりに支給する場合)は月1,236香港ドル以上で据え置かれます。適用額を決めるのは「署名日」、10月30日(金)は「10月2日以前に旧額で署名した契約の申請が入境事務処に届く期限(必着)」と、二つの日付の役割を分けて押さえておくのがポイントです。
最低許可賃金や食費手当、移行措置の扱いは改定されることがあります。最新は香港政府・入境事務処の公式発表で要確認です。

