ニュースの要点
香港警察のトップである警務処処長(Commissioner of Police)の周一鳴(Joe Chow Yat-ming)氏は、2026年1〜8月に詐欺が警察に報告された犯罪全体の半数を初めて占め、詐欺の件数は2万9,000件を超えたと述べました。香港の英字紙The Standardが2026年10月13日に報じたものです。処長は、8月単月の詐欺が5,189件に上り、月間の最多(monthly high)だったことも明らかにしています。
処長はまた、手口別で件数が最も多いのは電話詐欺で、詐欺件数の27%を占めると述べました。同紙の記事によると、1〜8月の詐欺の被害総額は52億香港ドルで、被害額で最も大きいのは投資詐欺(23億3,000万香港ドル)です。「件数の最多」と「被害額の最大」は別の手口です。カスタマーサービス担当者を装う詐欺の件数も、前年同期の2倍に増えました。
香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority、HKMA)の阮國恒(Arthur Yuen Kwok-hang)副総裁(Deputy Chief Executive)は、不審な電話を受けたら落ち着いて、銀行または警察に確認するよう呼びかけています。
数字の整理:誰が何を伝えたか(2026年1〜8月)
今回の報道には、警察トップの発言、記事本文が伝える集計、HKMA副総裁の発言が含まれています。出どころごとに分けて整理します(いずれも2026年10月時点の報道内容)。
警務処処長・周一鳴氏の発言として報じられた内容
- 詐欺が、警察に報告された犯罪全体の半数を初めて占めた
- 1〜8月の詐欺は2万9,000件超
- 8月単月は5,189件で、月間の最多
- 電話詐欺が件数最多で27%(詐欺件数に占める割合)
The Standardの記事が伝える集計
- 1〜8月の被害総額:52億香港ドル
- 被害額が最も大きい手口:投資詐欺で23億3,000万香港ドル(被害総額の半分近く)
- カスタマーサービス担当者を装う詐欺:件数が前年同期の2倍
- 件数・被害額とも、前年同期より増えたとされています
HKMA副総裁・阮國恒氏の発言
- 1〜8月の被害は、1分ごとに約1万5,000香港ドルが詐欺で失われた計算になる
- 不審な電話を受けたら落ち着いて、銀行または警察に確認してほしい
- 詐欺の例として、投資、恐喝(intimidation)、ロマンス詐欺を挙げた
件数で多いのは電話詐欺、被害額で大きいのは投資詐欺
今回の数字で押さえておきたいのは、「件数」と「被害額」で上位の手口が違う点です。
件数で最も多いのは電話詐欺で、詐欺件数全体の27%を占めます。件数の面では最も身近な手口といえます。
一方、被害額で最も大きいのは投資詐欺です。1〜8月の被害額は23億3,000万香港ドルで、被害総額52億香港ドルの半分近くを、この1つの手口が占めています。
つまり「よく起きている手口」と「最も多くのお金が失われている手口」は同じではありません。電話での不審な連絡に気をつけるのはもちろん、投資の勧誘についても同じように警戒しておく必要があることが、数字から読み取れます。
カスタマーサービスを名乗る詐欺が倍増
記事によると、カスタマーサービス担当者になりすます詐欺の件数は、前年同期から倍増しました。普段使っている会社やサービスの窓口を名乗られると、本物かどうかをその場で見分けるのは簡単ではありません。
こうした連絡を電話で受けた場合も、阮副総裁が呼びかけるとおり、まずは落ち着いて、銀行や警察に確認することが基本になります。
在住者・企業として意識しておきたいこと
香港で暮らしたり働いたりしていれば、電話や投資の勧誘を受ける機会は誰にでもあります。今回の報道から、次の2点を意識しておくとよいでしょう。
- 不審な電話はその場で判断しない:落ち着いて、銀行または警察に確認する(HKMA副総裁の呼びかけ)
- 手口を周囲と共有する:投資、恐喝、ロマンス詐欺、カスタマーサービス担当者を名乗る連絡といった、今回挙げられた手口を家族や社内で共有しておく
まとめ
- 警務処処長の周一鳴氏によると、2026年1〜8月に詐欺が報告された犯罪全体の半数を初めて占め、件数は2万9,000件超。8月単月は5,189件で月間の最多
- 1〜8月の被害総額は52億香港ドル。件数最多は電話詐欺(27%)、被害額最大は投資詐欺(23億3,000万香港ドル)
- カスタマーサービス担当者を装う詐欺は、件数が前年同期の2倍に
- HKMAの阮國恒副総裁は、不審な電話では落ち着いて銀行や警察に確認するよう呼びかけ
本記事の数字は、The Standardが2026年10月13日に報じた内容にもとづく、2026年10月時点の情報です。統計は今後の公表で更新される可能性があるため、最新は香港警察などの公式情報で確認してください。

