【ニュースの要点】
香港政府の中小企業向け助成制度「BUD Fund」が2026年6月15日付で拡充されました。香港政府の立法会書面回答(LCQ22、2026年6月17日付・商務及經濟發展局)によると、主な変更点は次の2つです(2026年6月時点)。
- 簡易申請枠『申請易(Easy BUD)』の1件あたり資金上限が HK$150,000 に引き上げ(施行2026年6月15日)
- BUD Fundの対象地域(エコノミー)が合計 48 に拡大(2026年6月15日付、一帯一路沿線国を含む)
香港に拠点を持つ日系の中小企業・現地法人が、販路開拓・ブランディング・業務の高度化にかかる費用補助を、これまでより活用しやすくなる内容です。
ニュースの概要
BUD Fundとは
「BUD Fund」は、正式名称を 発展品牌・升級轉型及拓展內銷市場の専項基金(Dedicated Fund on Branding, Upgrading and Domestic Sales) という香港政府の助成制度です。香港政府の立法会書面回答(LCQ22、2026年6月時点)によると、香港の非上場企業が以下に要する費用を補助する仕組みで、対象経費の例として展示会出展・広告掲載・商標出願・検査認証の取得などが挙げられています。
- ブランド確立(branding)
- 業務の高度化・転型(upgrading and restructuring)
- 市場開拓・販売促進(域内および対象市場の販路開拓)
2026年6月15日施行の2つの変更点
香港政府の立法会書面回答(LCQ22、2026年6月時点)で確認できた変更点は次のとおりです。
- 『申請易(Easy BUD)』の上限引き上げ:簡易申請枠の1件あたり資金上限がHK$150,000に引き上げられました(施行2026年6月15日)。
- 対象エコノミーの拡大:BUD Fundの対象地域が合計48エコノミーに拡大しました(2026年6月15日付)。
なお、BUD Fundは2018年以降に複数回の拡充を経ており、累計で約 HK$93.8億 が投入され、承認件数は 13,000件超(いずれも香港政府 立法会書面回答LCQ22)に達しています。
対象読者:効くのは「企業の管理部門」
この拡充が実務に直結するのは、香港に拠点を持つ日系の中小企業(香港登記の非上場企業)の経営者や、販路開拓・展示会出展・ブランディング・業務高度化(DX等)の予算編成に関わる管理部門(経理・営業企画・総務)の担当者です。
一方、駐在員個人や帯同家族が取るべき手続きはありません。BUD Fundは企業向けの助成制度であり、個人レベルでの申請・登録・期限対応は発生しません。勤務先で海外展開や販促の予算に関わる方は、自社の利用可否を社内で確認するきっかけとして本件を共有しておくとよいでしょう。
背景:香港の中小企業・海外展開支援の強化
今回の拡充は、香港政府が中小企業の海外・域外展開を一連の施策で後押ししている流れの一部です。香港政府の立法会書面回答(LCQ22、2026年6月時点)では、関連する取り組みとして、香港貿易発展局(Hong Kong Trade Development Council, HKTDC)が2026年4月に開設した海外展開支援プラットフォーム「GoGlobal Connect」が言及されています。同プラットフォームは香港の専門サービス事業者200社超を擁し、中小企業の海外展開を支援するものとされています。
BUD Fundの上限引き上げと対象地域の拡大は、こうした支援強化の文脈にあり、香港企業(その対象には多くの日系現地法人・中小企業も含まれ得ます)に、より多様な市場開拓を促す狙いがあると読み取れます。
今すべきアクション
企業向け(管理部門・経営者)
- 申請計画の見直し:販路開拓・展示会出展・広告・商標出願・検査認証・ブランディング・業務高度化(DX)投資を予定している場合、新上限(『申請易』1件HK$150,000)と対象48エコノミーを前提に、申請計画・予算配分・対象市場の選定を見直しましょう。
- 新たな対象市場の確認:48エコノミーに新たに加わった地域が自社のターゲット市場に含まれるかを確認し、含まれる場合は当該市場向けの販促・出展計画を申請対象に組み込めるか検討します。
- 適格性・上限・必要書類は公式窓口で確認:自社が香港登記の非上場企業に該当するか、企業あたりの累計助成上限・利用可能件数・対象経費の範囲・必要書類は、運営機関である 香港生産力促進局(Hong Kong Productivity Council, HKPC) や 工業貿易署(Trade and Industry Department, TID) の公式窓口で確認してください。簡易申請枠『申請易』と通常枠の上限・要件・必要書類の差も、公式の最新ガイドラインで確認することをおすすめします。
- 会計・税務処理は顧問に確認:助成金は会計・税務処理(収益計上や対象経費の按分等)に影響しうるため、申請前に顧問の会計士・税理士に処理方針を確認しておきましょう。
個人向け(駐在員・帯同家族)
- 取るべき手続きはありません。BUD Fundは企業向け助成のため、個人の申請・期限対応は不要です。
- 勤務先の予算編成に関わる立場であれば、社内で本件を共有し、自社が活用できるかの検討材料として役立ててください。
本記事は一般的な情報であり、個別の助成金の適格性判断・申請可否・会計税務処理などは、運営機関(HKPC/工業貿易署)の公式窓口および会計士・税理士等の専門家にご相談ください。
まとめ
2026年6月15日付の拡充で、『申請易(Easy BUD)』の上限がHK$150,000に引き上げられ、対象地域は48エコノミーに広がりました。海外展開や販路開拓の予算を組むなら、いまが申請計画を見直すタイミングです。ただし上限・適格性・対象経費・必要書類などの詳細は変更されることがあるため、最新の内容は必ず公式(HKPC/工業貿易署)でご確認ください。
出典
- 香港政府新聞公報(立法会書面回答LCQ22「Assisting small and medium enterprises in joining forces to go global」)(商務及經濟發展局、2026年6月17日付。閲覧日:2026年6月25日)

